remember, no peace without liberation — March 19, 2026

3月19日、アメリカ大使館付近での「沖縄から海兵隊をイランへ派遣するな」というデモに参加した後、梯子できたので議員会館前の19日行動(安全保障関連法廃止や憲法改正NOを掲げ、安保法制が強行成立した日にちなんで毎月19日に行われる抗議行動)にも参加しました(警察のせいで無駄に歩かされたのも一因で疲れていたので、参加というよりは反対側の岸で座って眺めていたのが正確ですが)。昨日の19日行動は主催者発表で、この抗議行動としては過去最大の約1.1万人の参加だったとのことです。これだけの人数が集まったことを心強く感じましたし、とても良いことだと思っています。

さて、アメリカ大使館付近のデモでスピーチを聞きながら強く思ったことがあります。

沖縄戦では琉球/沖縄は本土=ヤマトを防衛するための捨て石にされました。敗戦後も、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争と在沖米軍は出撃し、琉球/沖縄は自らの意思とは無関係にアメリカと日本によって「加害の島」とされてきました。そして今、再びそれが行われようとしています。攻撃の標的となる恐れも当然あります。

日本政府は「台湾有事」を想定し、先島諸島5市町村の住民約12万人をリュック1つで6日間のうちに九州・山口に島外避難させる計画を公表しています。沖縄島の住民約130万人には屋内避難を求めていますが、米軍基地や自衛隊基地が集中する島で屋内避難が何を意味するのか。避難計画は穴だらけで、復旧・復興の計画はありません。「島を守るため」と言って自衛隊基地を強化しミサイルを配備しながら、「危ないから避難しろ」という矛盾。1945年の「捨て石」が繰り返されようとしています。

1950年代、本土に配備されていた米軍は、本土での反基地運動の高まりを受けて、米軍占領下にあった琉球/沖縄に移転しました。本土の基地は縮小し、琉球/沖縄の基地は増大しました。その際、「沖縄に持っていくな」という目立った反対運動は本土で起きていませんでした。

辺野古新基地建設では民意が無視され続けています。米海兵隊の現役中佐が、辺野古完成後も普天間を保持すべきだとする論文を発表したと報じられており、普天間が返還される保証はありません。琉球/沖縄の人びとは米軍関係者による性暴力・殺人をはじめとする犯罪・暴力にも晒され続けています。

「日本」の同化政策は、琉球民族から自分たちの言語を奪い、抑圧し、日常会話を、教育を、政治的な意思表示を異なる言語でせざるを得ない・強いられている状況を作り出してきました。「日本」の公教育カリキュラムは、自分たちの歴史を自分たちの言葉と視点から学ぶことを、なお大きく制限しています。

これは日本の植民地主義の現在進行形です。

わたしを含む抑圧・差別の構造を作っている加害側に属する者は、この非対称性を忘れてはならないと思います。

当事者の声を直接聞き、加害を行っている側の責任を問われていると感じました。

19日行動では戦争反対、憲法改正反対など多くの声が上がっていました。しかし、「平和」や憲法9条の維持は、「国土」面積の約0.6%にすぎない琉球/沖縄に在日米軍基地の約7割を押し付けることで成り立ってきたものでもないでしょうか。自衛隊を派遣云々の前に、琉球/沖縄は既に戦争に巻き込まれています。

本土=ヤマト側の人こそ、このことに声を上げていかなければと思います。

琉球民族を含む様々なマイノリティ・周縁化された人々に対する差別・抑圧・搾取、その土地や資源の収奪、そして外部化・他者化の構造を変える責任は、マジョリティ側にあります。同時に、その責任を果たすことがマジョリティ中心の運動になってはならず、当事者の声と主体性を奪わないことが前提です。この文脈ではとりわけ「日本人」=ヤマト民族の責任が問われますが、マジョリティ性は民族だけでなく、セクシュアリティ、障がいの有無など複数の軸に存在します。構造的に特権を持つ側にこそ、その責任があります。誰かに不都合や犠牲を押し付けた上で成り立つ、都合のいい「平和」には抗わなければなりません。

解放なくして平和はありません。

2026年3月20日 黒田崇宏(作曲家)

参考:

・「沖縄から海兵隊をイランへ派遣するな」呼びかけ文
https://x.com/hitotsubo_kanto/status/2034155308973777341/photo/2

・総がかり行動実行委員会「19日行動とは」
https://sogakari.com/?p=8540

・東京新聞「『沖縄はとっくにアメリカの戦争に巻き込まれている』駐留の海兵隊が中東へ派遣、大使館近くで抗議」(2026年3月19日)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/476047

・沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック「リーフレット『沖縄でいま何が起きてるの?』ができました (2026-01-28)」
https://hitotsubokanto.wordpress.com/2026/02/07/leaflet260128/

・Yahoo!ニュース特集「『沖縄の米軍基地を本土に』―― 引き取り運動への賛否」(2018年6月28日) https://news.yahoo.co.jp/feature/999/

・沖縄県「辺野古新基地建設問題の経緯」
https://www.pref.okinawa.jp/heiwakichi/futenma/1017409/1017427.html

・しんぶん赤旗「辺野古と普天間両方保持/米海兵隊現役幹部が論文/与那国共同使用も提案」(2026年2月12日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik25/2026-02-12/2026021201_02_0.php

・しんぶん赤旗「少女暴行事件30年/悲劇のない平和な島の実現を」(2025年9月11日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik25/2025-09-11/2025091102_01_0.html

・読売新聞「沖縄県警の米軍関係者摘発、1~9月で過去最多77件…凶悪犯は全て女性への性暴力事件」(2025年11月2日)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20251102-OYT1T50030/

・CERD, List of issues prior to submission of the combined twelfth to fourteenth periodic reports of Japan
https://docstore.ohchr.org/SelfServices/FilesHandler.ashx?enc=prHmAlAkHpEVUbDGk%2FCz%2BIMwj4rK7v4EHtExKuarGhN78GEzTv6EPbPdtkixOsSwmrGmC%2FkU4Jli0dohI5ej4HNRRhB1KP0F9x6cQWK9N0c%3D

・喜友名智子(沖縄県議会議員) 「公立学校での琉球・沖縄史教育の推進に」(2023年)
https://kiyuna-tomoko.com/activity/a2549989.html